ポーランド・ボレスワヴィエツ陶器の魅力
ツェラミカでお取り扱いしているのは、ポーランドの『ボレスワヴィエツ陶器』です。
これはポーランドの南西部、ポーランドとドイツ、チェコの国境近くにある、
Boleslawiec(ボレスワヴィエツ)という町で作られる陶器の総称で、
これらのポーランド陶器は『ポーリッシュ・ポタリー』とも呼ばれます。
ツェラミカでは、この町にいくつもある工房の中でも特に歴史ある
ボレスワヴィエツ社の製品を中心に、ヴェナ社やミレナ社などの
個性あふれる商品を交えながらご紹介しています。
ポーランドのボレスワヴィエツ陶器の魅力のひとつに、
バラエティー豊かな手描き模様があげられます。
中でも特徴的なのは、この目玉模様でしょう。
孔雀の羽根の模様のようなので、ピーコック・アイズと呼ばれています。
ボレスワヴィエツ陶器は、手作りです。
もちろん、これらの模様は、ひとつひとつ人の手で絵付けされているのです。
スポンジのスタンプを使用した、独特の手法で知られています。
この特徴的なスタンプの技法は、1830年代に始まり、現在も続いています。
スタンプは、バルト海の海綿を使用しているのだそうです。
ボレスワヴィエツ社では、陶器の絵付けを4つのグレードに分けています。
1. もっとも基本的な 「クラシック」
2. 少し手の込んだ 「クラシックA」
3. 工房独特のセンスで描かれた 「ユニーク」
4. もっともハイグレードな 「アート」
の4種類です。グレードによって価格も違ってきます。
使用されている色の数や、模様の複雑さによって、グレードが決まっているようです。
「アート」柄の絵付けをすることができるようになるのは、経験を積んだ職人さんです。
そして、その誇りの印として、ひとつひとつの陶器に
手書きでサインを入れているのです。(アート柄のみ)
まるで、ポーランド版 「作家もの」といった感じですね。
伝統柄の目玉模様からスタートしてもよし、
個性的なアート柄からスタートしてもよし。あなた次第です。
ひとつ手に取ると、手作りのあたたかさに、きっとファンになってしまいますよ。
そうしたら、ボレス・コレクターの仲間入りです。
どれをとっても同じものがない、世界に一つの「マイカップ」「マイプレート」を、
ぜひ手に入れてくださいね。
ボレスワヴィエツ陶器の歴史
ポーランドのボレスワビエツで
陶芸がこれほど盛んになったのは、いつのことでしょうか?
この地域は、1945年に第2次世界大戦が終わるまでは、
ドイツ語でBunzlau(ブンツラウ)と呼ばれていました。
ドイツの伝統陶器として、似たようなものをどこかで見かけた方もあるかも知れませんね。
ドイツとの国境に近いその町は、今ではBoleslawiec(ボレスワヴィエツ)と
ポーランド名で呼ばれています。
クラクフに首都を置き、ポーランド王国として栄えていた14世紀ごろ、
ボレスワヴィエツでは焼き物に適した豊富な土があることから、
陶工が集まり工房を建てるようになりました。
1897年にブンツラウに陶芸学校ができ、
全国から人材が集まるようになったことをきっかけに、
優れた陶工を生み出すことになり、この地方に陶芸が根付いていったようです。
森に囲まれた、美しい町で、
ボレスワヴィエツ陶器は生まれます。
写真は、ボレスワビエツの町を少し高いところから眺めた風景です。
周りを森で囲まれた、緑の多い美しい町ですね。
新しいものも増えてきたようですが、
中世、ルネッサンス期、バロック時代様式など、
歴史的な建造物もいくつも残されていて、
観光で訪れるのにも、魅力的な場所のようです。
ヨーロッパの街でよく見るように、
ポーランドの町の中心には、リネック [rynek] 中心広場というものがあります。
広場には日用品や食品、民芸品や花などを売る露店が並んでいたり、
週末ごとに催し物があったりと、人々が集まっているそうです。
こちらの写真は、美しいタウンホールです。
もちろんその周りはリネック。まさに町の中心です。
ポーランドの町の多くは、第2次世界大戦の戦災で焼けてしまったと聞いていましたが、
このタウンホールは500年も前から、このボレスワビエツの中心に建っているのです。
中には、美しいアーチが幾重にも重なるウェディングホールがあるそうです。
タウンホールを中心に、この町の中央広場を取り囲んでいるのは、古い共同住宅。
19世紀から20世紀の変わり目のころ建てられたゴシック様式の建物です。
現在では、その美しい姿を損なわないように修復され、
ホテルやレストランなどにも使用されているものもあるようです。
窓枠には美しい模様が彫られていたり、バルコニーがあったり、独特の雰囲気を持っていますね。