同じもののない、手作りの味わい
「この2点、同じ商品です。」とお伝えすると、柄の配置が違う、色の濃さが違う…など気になる点がいくつかあると思います。 ツェラミカではこう考えます。「絵付けをする職人さんによって絵柄が異なってもいい」「同じ職人さんでも半年前に発注した時と気分や好みが変わることもあるだろう」と。
一つひとつ職人さんの手で絵付けされるポーランドのボレスワヴィエツ陶器。人による手作業ゆえに、品番が同じでも仕上がりが全く同じになることはありません。もしかしたら、ネットショップで販売している商品写真を発注書に添付して「必ず同じ柄にしてください」と注文したら、このような差は減るのかもしれません。でも、私が出会った時に大好きになったポーランド陶器は、そういった画一的でないゆるさも特徴のひとつであり、良さであると感じていたのです。
現在、私どもは、日本のお客様に合わせて柄を統一してほしいとメーカーに伝えることは考えていません。入荷するたびに「今度はそうなりましたか!」と驚いたり、前回購入して愛用中のマグと今回追加で購入したマグを並べてみて、「自由で大らかなところが微笑ましい」と愛しく思ったり。そんなふうにして、お客様にも楽しんでいただけたらと願っています。ツェラミカのこのような考え方をよくご理解いただきご注文いただけますよう、お願いいたします。
それでは、具体的にどのような違いがあるのか、実際の例を見てみましょう。
この例では、フタの縁取りの仕方が違っていたり、本体に描かれているお花の並べ方や、中に描かれたワンポイントの柄もちょっと違っています。
VENA社の代表的な柄「お花畑」のオーク・リーフですが、左の商品では内側全体に花柄が描かれているのに対し、右の商品では花柄は全体にはなく、空を思わせる空間とそこに飛ぶチョウチョを絵画的に絵付けしたものになっています。
VENA社オーク・リーフの「大きな青い花」柄ですが、大きな花のまわりの小花の絵付けの仕方が異なっています。メインの大きな花もふっくらタイプとスリムタイプという差がありますし、色の濃さも異なりますね。
VENA社シェル・プレートの「大きな青い花」柄ですが、大きな花の数が違っています。余白が多い方が料理を盛りつけやすいと感じる方もいらっしゃるでしょうし、白い部分が広くて少しさみしいと感じる方もいらっしゃるでしょう。
ミレナ社のカラフルボーダー柄花小鉢です。中央付近のボーダーの絵付け具合が異なっています。
ミレナ社の「オレンジ&水色花の環」柄です。カップの内側に描かれたワンポイントの柄が異なっています。また、外側の柄も全く同じではないですね。
全てはご紹介できませんでしたが、この他にも絵付けの差異はございます。どうか、手作りの味わいとご理解いただけますようお願いいたします。ご注文の際に「絵付けの濃いものだけを選んで送ってほしい」「柄がつまっていて空白のないものを選んでほしい」といったご依頼をいただくことがありますが、そのような選別発送は致しかねますので予めご了承ください。
ひとつしかない手作りのポーランド陶器。お客様のお手元にお届けした陶器との出会いをお喜びいただいて、毎日の食卓で楽しく使ってくださったらとてもうれしいです。